定数分離の方法
この記事では,数学Iで習う二次関数の応用的な考え方の1つである,定数分離の方法について解説します。
まずは簡単な例題を
解答1
まずはこの問題に対して,自然な解答を提示します。判別式を用いる方法です。
の判別式を とすると,
異なる実数解は2個
異なる実数解は1個
異なる実数解は0個
が成り立つ。また,
だから,
のとき,異なる実数解は2個
のとき,異なる実数解は1個
のとき,異なる実数解は0個(解答終)
この問題の状況をGeoGebraで遊んでみてください。
解答2
を変形すると,
となる。
の実数解の個数は, のグラフと のグラフの共有点の個数に等しい。
したがって,
のとき,異なる実数解は2個
のとき,異なる実数解は1個
のとき,異なる実数解は0個(解答終)
この問題の状況をGeoGebraで遊んでみてください。
状況が少し異なっていますね。
このように,方程式を,(定数がない式)=(定数だけの式)と変形して,2つのグラフの共有点の個数を考える方法を,定数分離の方法と呼びます。*1
みんな大好き絶対値
今度は,みんな大好き絶対値が絡む問題に挑戦してみましょう。
解答
のグラフを①とする。
求める実数解の個数は,①と のグラフの共有点の個数に等しい。
また,①は,
(ア) のとき,つまり, のとき,
(イ) のとき,つまり, のとき,
よって①を図示すると以下のようになる。
よって,①と のグラフの共有点の個数は,
のとき,0個
のとき,1個
のとき,2個
のとき,3個
のとき,4個 (解答終)
こういう問題こそGeoGebra!
*1:別に両辺に変数があってもいいんですが,それだと大抵の場合面倒です。