ぱるちのものおき ver 2.0

主にLaTeXや数学のお話をするブログです。

定数分離の方法

この記事では,数学Iで習う二次関数の応用的な考え方の1つである,定数分離の方法について解説します。

まずは簡単な例題を

x についての2次方程式
   x^2-2x-a=0\quad\cdots\cdots(\ast)
の異なる実数解の個数は,a の値によってどのように変わるか。

解答1

まずはこの問題に対して,自然な解答を提示します。判別式を用いる方法です。

(\ast) の判別式を D とすると,

D>0\quad\iff\quad異なる実数解は2個
D=0\quad\iff\quad異なる実数解は1個
D<0\quad\iff\quad異なる実数解は0個

が成り立つ。また,

   D/4=1+a

だから,

a\gt -1 のとき,異なる実数解は2個
a=-1 のとき,異なる実数解は1個
a\lt -1 のとき,異なる実数解は0個(解答終)

この問題の状況をGeoGebraで遊んでみてください。

解答2

(\ast) を変形すると,

   x^2-2x=a\quad\iff\quad (x-1)^2-1=a

となる。

(\ast) の実数解の個数は,y=(x-1)^2-1 のグラフと y=a のグラフの共有点の個数に等しい。
f:id:f_d0123:20190624011915p:plain
したがって,
a>-1 のとき,異なる実数解は2個
a=-1 のとき,異なる実数解は1個
a<-1 のとき,異なる実数解は0個(解答終)

この問題の状況をGeoGebraで遊んでみてください。

状況が少し異なっていますね。


このように,方程式を,(定数がない式)=(定数だけの式)と変形して,2つのグラフの共有点の個数を考える方法を,定数分離の方法と呼びます。*1

みんな大好き絶対値

今度は,みんな大好き絶対値が絡む問題に挑戦してみましょう。

x についての2次方程式
   |x^2-3x-4|+3x=k
の異なる実数解の個数は,k の値によってどのように変わるか。

解答
y=|x^2-3x-4|+3x のグラフを①とする。
求める実数解の個数は,①と y=k のグラフの共有点の個数に等しい。

また,①は,
(ア)x^2-3x-4\geqq 0 のとき,つまり,x\leqq-1,\quad 4\leqq x のとき,

   y=(x^2-3x-4)+3x=x^2-4

(イ)x^2-3x-4\lt 0 のとき,つまり,-1\lt x\lt 4 のとき,

   y=-(x^2-3x-4)+3x=-x^2+6x+4=-(x-3)^2+13

よって①を図示すると以下のようになる。
f:id:f_d0123:20190624174534p:plain

よって,①と y=k のグラフの共有点の個数は,

k<-3 のとき,0個
k=-3 のとき,1個
-3\lt k\lt 12,\quad 13\lt k のとき,2個
k=12,13 のとき,3個
12\lt k\lt 13 のとき,4個 (解答終)

こういう問題こそGeoGebra!

*1:別に両辺に変数があってもいいんですが,それだと大抵の場合面倒です。