ぱるちのものおき ver 2.0

主にLaTeXや数学のお話をするブログです。

無理数の独立性(?)

次の問題を解いてみよう。

a,b,c,d有理数とする。このとき,次を証明しなさい。
a+b\sqrt2+c\sqrt3+d\sqrt6=0 \iff a=b=c=d=0

(\Longleftarrow)は明らかなので,(\Longrightarrow)を証明することになります。

初手が肝心だと思います。

a+b\sqrt2+c\sqrt3+d\sqrt6=0 とする。この式を①とする。

①を変形して,

a+c\sqrt3=-b\sqrt2-d\sqrt6

この両辺を2乗して,

a^2+2ac\sqrt3+3c^2=2b^2+4bd\sqrt3+6d^2

変形して,

(2ac-4bd)\sqrt3=-(a^2-2b^2+3c^2-6d^2)

もしも(2ac-4bd\neq0)であると仮定すると,

\displaystyle\sqrt3=\frac{a^2-2b^2+3c^2-6d^2}{2ac-4bd}

となり,(無理数=有理数)となってしまうので矛盾。

したがって,2ac-4bd=0(この式を②とする)
ここからa^2-2b^2+3c^2-6d^2=0(この式を③とする)も従う。

もう1回①を変形しなおすと,
a+d\sqrt6=-b\sqrt2-c\sqrt3

この両辺を2乗して,

a^2+2ad\sqrt6+6d^2=2b^2+2bc\sqrt6+3c^2

これについても,\sqrt6無理数であることを利用すると,
a^2+6d^2=2b^2+3c^2,\qquad 2ad=2bc
が従う。(この式を④,⑤と名付けておく。)

⑤の両辺を2で割ってc をかけることで,
\underline{ac}d=bc^2

ここに②を代入して,

2bd^2=bc^2

\therefore 2d^2=c^2 または,b=0

\therefore c=\pm\sqrt2d または,b=0

前者を満たすためには,\sqrt2無理数であることから,c=d=0でなければいけない。

つまり,c=d=0 または,b=0 である。

c=d=0ならば,
①より,a+b\sqrt2=0 であり,これも同様の議論でa=b=0 が従う。

b=0ならば,②,⑤より,ac=ad=0

これも,a=0またはc=d=0と場合分けが出来る。

c=d=0ならば,①よりa=0 が成り立つ。

a=0ならば,①よりc\sqrt3+d\sqrt6=0 となり,
この式の両辺を\sqrt3で割ることで,c+d\sqrt2=0

よって\sqrt2無理数であることを用いて,c=d=0が従う。

これですべての場合を尽くしたので,a=b=c=d=0である*1。■

この問題,不思議です。いろいろと。

ちょっと代数の言葉に書き換えてみよう。

\mathbb{Q}[\sqrt2,\sqrt3,\sqrt6]について,(書き途中)

*1:この解法だと,\sqrt2,\sqrt3,\sqrt6無理数であることをフルに利用しているんですが,例えば\sqrt3無理数であることを用いないで示す方法ってあるのかなぁ。うーん,わかんないや!